あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

睡魔を誘惑

以前、美容師さんと、寝るときの姿勢の話題になった。わたしは仰向けか横向きが多い、かれはうつぶせ。(ポーズを見せられると、赤ちゃんみたいでかなりかわいい) なんでそんな話題になったかというと、色をもっと見せようとエクステが太めになったら、からまりやすくなったからで。どうやら、寝ているときに枕でからまるみたいかも、と。

ところが最近、わたしの前髪のエクステがからまるようになってきた。いや、自分でもちゃんと自覚してる。枕なしのうつぶせ寝って、トルソが伸びて、瞬間、気持ちがいいのだ。それを美容師さんにいったら、「で、しょう?」とにんまりされた。「これでお揃いですね」 ……寝る姿勢がお揃いになったからって、何がどうだ?とも思うけど。

いやいや。

もっと以前、友人と意見が一致したことに、片耳がどこかについていた方が寝やすいよね〜、というのもある。横向きですね。特に乗り物(車や飛行機)の椅子で寝心地が悪いとき、からだをひねったり、倒したりして、クッションやらだれかの肩やらに自分の耳がつくと寝心地ができるわけ。

それでも、すごく疲れているのに寝られなくて一番辛い思いをしたのは、ロンドンからの帰りの飛行機だった。いろいろと重なって神経がタッていたのも事実だが、アテンダントがずっと横でがたがたと作業しているような席だったのだ。そんなわたしを深い眠りに引き込んでくれたのが、意外にもロックだった。耳元でがんがん鳴らすと他の世界はシャットアウト、ベースとドラムがぶんぶんと低い位置でビートを刻んでくれるので、熟睡。今でも毎日、仕事帰りの山の手線で爆睡している耳元は、ハードロックであることが多い。

まあね、といっても、基本的にわたしはどこでも寝られるタチです。電車の中で立ったままでも、開演前の劇場の客席でも、目をつぶりながら眠りの雫をむさぼることもできるし、まんが家をやってたときは、カッキリ10分だけ熟睡することもできた。

だが、ホントウのおすすめは、仰向け寝なのです。美輪明宏さんが「眠りの技術」とおっしゃった方法。霊的世界のことはわからないが、短時間の質のよい熟睡が確実になる。

仰向けのまま全身の力を抜き、口を大きくあけて「お馬鹿さん」の顔になる。わたしの場合、まずここであくびがとまらなくなる。いかに自分が日常、深く息をしていないかを自覚する。そしておなかに軽く手を重ね、ゆっくりと呼吸しながら、雲の中を飛ぶ自分をイメージする。美輪さんは「虹色の雲」とおっしゃったのだが、わたしはどうしても「虹色」の雲をイメージできず、「金色」とか「青紫」とかの雲になる。 え、これだけだよ。そのまま意識が途切れ、ふと意識が戻るとすっきりと朝になっている。ただしね、ベットの中でだらだらする幸せは減ります。いいことばかりじゃないのよ。