あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『TdV』2019-③

ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』 @帝国劇場

 

4回目にしてようやく、神田さんのサラ(Wキャスト)と出会いました。

自然体がステキな桜井さんのサラにくらべて、とても考え抜かれたサラで、あぁサラってこーいうコなんだろうなぁと納得させてくれました。そして、やっぱり、めっちゃキュート。

この回のアルくんは相葉さんで、ふたりの間でシーンごとに変わり続ける距離感が楽しかったです。

東さんのアルフレートとだと、また違うんだろうなぁ。(5枚チケットを取っても、抽選が外れたりして、出会えない組み合わせが出てしまうのでした)

 

 

今回の『TdV』は、時代に沿ってか、新しく成熟した解釈が3つあるとわたしは思ってるのですが、さて、どうでしょう。

 

ひとつは、ヘルベルトとアルフレートのお風呂場のシーン。

今となっては、「男が男にせまられる」ことを、気持ち悪いとか無邪気な笑いにするとか、絶対にしてはいけないことで。(まぁだからといって、圭吾さんのヘルとか、今の時代でも失礼なことなく通用すると思うけど)

だからアルフレートたちが、ヘルベルトから逃げるのは「男」だからではなく、あくまでもかれの「エキセントリック」が受け付けられない!からだと描かれているのは、

実はとても素晴らしいことだと思うわけです。

ヘルくんがね、だんだんと調子が出てきてたっぷり演じられるようになってきたのかな、いよいよ楽しいシーンになってました。

 

ふたつめは、

レベッカさんが、ダンナに面白半分?にちょっかいだしてくるマグダちゃんと、狭い職場で、長い冬に閉じ込められる生活の中で、荒立てることなく、うまくおつきあいしていこうと心を砕いているのが見えるあたり、です。

腹を立てるのは、シャガールに対してで、それでも最後には愛してて。

ステキなおとなだな。

 

そしてみっつめが、サラの解釈。

男たちの都合や好みにあわせた解釈の女の子じゃなくて、悪びれることのない、女子の生理に基づいた、自己肯定の中で描かれている気がします。

サラだけでなく、マグダやレベッカも、か。ここ、大切。

 

 

この日の席は、前から2列目のセンターブロックの端で。上手階段/通路そばでしたので、おいしいシーンをいっぱい楽しめました。うふふ。

伯爵さまやクコちゃんの客いじりは目の前だし(ありがとう☆)、マイクが拾わない、教授とアルくんのナマの会話も、こそこそ延々と聞けるし。

 

目の前で展開する「♪ガーリック」のシーンが、ほんとにステキで。細部まで心遣いが行き届いているダンス。

舞台上の全員にアイシテル!とハグしたい幸せでした。

うん。「♪夜を感じろ」がね、

「♪永遠」がね、、、以下同文☆

 

 

教授って、最初に役を起こしたのが市村さんだったせいかな、ものすごい運動量というか、いちいち細かくて大げさな反応とか。ずっと。じっとしてなくて。

全員の中で一番カロリーを使うお役なんじゃないかしら?と感じました。

 

や、全員がカロリー使うから!とか、反論されそうか。

 

 

 

そして伯爵さまの、くるくると繊細に変化する描写がよく見えて、幸せでしたよ。ときどきフッと笑うのが、ツボる。きゃ。

今回の公演の伯爵さまって内向的な傾向がある?とか感じてましたが、この回は吸血鬼の哀愁を感じることが、多かったかな。「♪欲望」には、心がえぐられました。

で。

どういう塩梅でか、舞踏会での表情が、タガーのときとまるで同じだなぁと感じられて、げげ、まさかこのお方って、30代のころから内面がそんなに変わってないってことですかぁ?と、アセりました。

 

 

 

あと1回は、5回の中で一番遠い席です。ちゃんと、届いてくれるといいなぁ。