バスキアをバスキアとしてちゃんと意識したキッカケは、もじゃくんが面白がった映画を自分も観てみた(が、わたしはまるで感銘しなかったw)のと、ユニクロのその年のデザインTシャツがバスキアで、2枚買ったのだが、とても気に入った!ことだった。
今回。原画を通してバスキアの息遣いをみられることが、前々から、かなり愉しみでした!
ひさしぶりの六本木。ヒルズ。森美術館。入り方を忘れて、かなりうろうろする。
この街の通行人には、特有のうさんくささがあるね。駅の長いエスカレータでエルメスの連作ポスターの出来を冷ややかに眺めていると、反対方向を降りていく男子たちがちらちらと、わたしの感性を気にしてるみたいな部分。借り物の価値観と、人の顔色をうかがう街になっちゃった。
(ちなみにポスターは、線の太さはこれが正解か?と思いながらみてました。PC上のイメージと、実物大の印刷物の微妙な誤差を読み違えたよね、たぶん。とか)
で。美術館では、
前売りチケットを 持っているのに、カウンターに並んで「チケットを交換」しなければいけない理由がわからないし。
同じエレベータ(受付が3階で会場が52階)に乗ったスタッフ女子は平然と、わたしの前を降りてくし。
私設美術館の意識レベルにも、
少しずつ苛つく自分が、不愉快な手触りとなる。(めんどくさいわね、自分w)
入口で音声案内が無料で手渡される。「使い方はおわかりですか?」 数字のぼたんを押せばいい? 「はい。いってらっしゃいませ」 は? え。前に並んでた親子連れには、もっとていねいに説明してたじゃん? えーとえーと。イヤホンじゃないけど音漏れせず、耳に近づけると聞こえる機種なのね。はいはい。
後ろのお客の会話。「無料だなんてお得ね。普通は500円くらいだよね」「入場料にこみこみってことでしょ」
あ。なるほど。
ふだんは音声案内を借りないことがほとんどなのだが、
まあ、案の定。ごもっともらしい作品解説に、や、そうだろうか? 作者の意図は別な気がする/もっといいかげんな遊び心がベースでは?とか、内心突っ込みながら、聴くこととなる。
などなどのオヒレは、ともかく。
バスキアはやっぱ、超かっこよかった。筆跡にそって意識をすべらせてみたりしても、完全に意味不明。
なにも考えていないのかな。出たとこ勝負の感覚(即興)だけ? けど、完璧な調和と、最後まで一筋も衰えない勢いが、そこにある。
計算?してなくは、ないよなあ。
1本の線の持つ、このすさまじさはなんなんだ?
何枚かは、撮影可でした。
記念撮影もしといた。
バスキアは文字と落書きから派生したストリートアートだと思ってたけど、アフリカンアートとピカソの流れを強く強く感じた。
あと、予想以上に繊細さもあった。なによりも、ノートの文字が端正で、ぎょっとした。
完璧主義者か。完璧として目指す先が、他とはまるで違ってたってことか。
自己主張の強さは感じる。マイノリティとしての自覚なのかな。静かだけど、声高。相手を責めないけれど、
なんだろう。何をいいたかったの?
キャンバスの木枠が独特で、既成価値の向こうを探ってる感がぐいぐいきて、こっちも枠通りに写真を撮るのが失礼な気がしてくるw
↑↑ 個人的には、写楽をイメージしてんのかな?と感じたりして。
「100円」は日本のバブルな時代をモチーフにしてると解説されていた。
うん。調べてみたら、100円ショップが誕生したのが1985年。バスキアが来日(何年?)して、それに触れたかどうかはわからないけど。でもそう考えたほうが「100円」に固執する意味が、肌触りになってくるなあ。誰か解説プリーズ!
後半になると、塗り込むこと、塗りつぶすことが増える。作品としての完成度への不安と不信感を、そこはかとなく感じる。
どの絵だったか。解説もなく、立ち止まる人もなく。でもわたしは気に入って(てか、全作品を気にいってんだけど)、
なめるように顔を近づけ、下塗りの刷毛跡を観察したり(バスキアが下塗り、するんだ!)、この絵はどこまで本気でどこまで遊んでんのかなとか、にやにやしてたら、
後ろがすごい人だかりになってた。
なにものなんだ、自分。というより、
そこまで価値観に不安なんですか、みなさん。もっと自分の、自分だけの好きや嫌いに正直でいいと思うよ?とかね、思いながら、
そそくさと逃げたよ。
o(ΦωΦ)o スタコラ =3
このモチーフのTシャツ着てたんだけど。ずっとバットマンだと思ってたのに、違ってたのかな。あっちこっちに出てきてた。
買ったもの。
絵葉書とキャップと缶バッチ。
グッズ付きチケットで前売りを買ったのに、すっかりと引き換えを忘れて渋谷まで帰り(今回、渋谷-六本木はバスが便利と今さら気づいた)、すごすごと美術館まで往復し、スタッフのみなさんの微妙~な対応にすっかりお世話になって、手に入れたのがこの5枚のコースターです。
そりゃ、うっかりしたわたしが悪かったんだけど、
とがめるようなスタッフのチェックと、
グッズ交換時に、チケットの半券まで回収されちゃったのは、わたしの名まえ(最近はチケットに入ってるでしょ)も回収したかったからだろうかと、
かなりのとまどいが残りましたよ。