あとりえあげん

世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。 HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

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クリムト展


klimt2019.jp

 

展示は、クリムトの作品だけでなくて、弟たちやご友人や派閥の仲間たちの作品や、家族や愛人たちとの写真など、

多彩な品ぞろえで、

ご本人の作品や作風だけでなく、時代や周囲との人間関係も浮かび上がらせてくれてました。

 

で。作品たちよりもね、一番の魅力は『ベートーベンフリーズ』の複製でしたよ。

すごい複製です。ホールぐるりの天井までの壁画が、再現されててね。実物大の空間の大きさだけでなく、テクスチャー(素材感)とか壁をひっかいた跡とか、ほぼ、まんまなんじゃないかな。

中央に立つと、かすかに歓喜の歌が聴こえてくるの。人間について、あれこれ思想してしまいます。

 

 

クリムトは「成功した画家」の人生を送ってるわけですが、工芸家、職人性が強かったことがよくわかりました。

もしかしたらだけど、コンプレックスとプライドや、(長兄としての)自己主張とか経済観念とかがかれを支えてた気がします。

 

ふーむ。あのみてくれ(失礼)で、愛人天国だったのは、やっぱ社会的地位と、サービス精神や「馬力」もあったのかなぁ。

 

 

わたしの一番のひっかかりポイントは、ある時期から人体のデッサンの質が変わることでした。ふっくらと美しい裸体にこだわっていたのが、『ベートーベンフリーズ』では皮膚のたるみや、その皮膚の中にある骨の存在を描き出すの。

なので一瞬、エゴンシーレの独自なかっこいいデッサンの影響?とか思いつくものの、年表によると出会いはそのあとになるので、むしろ影響を受けたのは年下のエゴンシーレのほうと考えるのが自然だ。

もうひとつ思いつくのが、北斎漫画の人物デッサンとなるわけだが、うちにあるはずの北斎の画集が行方不明で、、、まあ、そのうちネットでみてみよう。

『ベートーベンフリーズ』に関していえば、美しい人たちの描写は、ヘレニズムになるのかな、古代ギリシアの壺の絵が原点だと思う。

 

 

でね。

クリムト展に行ったよ、と病院ボラの友人に話したら、

以前の展覧会で、近くにいた人たちが「クリムトとエゴンシーレは出来てた」と話してたのよね、とか言い出した。

ええ? エゴンシーレは児童愛系だし、クリムトの作品からはゲイの匂いは皆無な気がするけどなあ。。。 まあ、そんなことを言う人たちがいたってことよ。

 

 

資料をざくっと読んでみると、クリムトがエゴンシーレの才能に執着し、称賛し、とても親切だった記述はある。

まあね。社会的に認められた画家と、虐げられてた画家の対比は、ドラマを秘めていそうだわね。

 

 

あと考えているのは、幼い息子を亡くしたとき、デスマスクを描き、闇の中で眠る家族の絵を描いてるときのかれの心情で。

どんな気持ち? ここまで描きこんでるときって、没頭してるよね。そのときの悲しさはどんな質だった? とか。

見当つかないわ。

 

 

 というわけで、そのうちエゴンシーレ展に行くのが楽しみなのでした。

 

 

 

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