ふと、30年くらい前に自分が吐いた言葉を、思い出していたり、する。
電話(通信ツールがイエ電と手紙しかない時代)の向こうでは、想像たくましい根拠のない、劇団についての 噂話を雄弁に語る友人、がいる。友人ではあるけれど、劇団についての何もかもを語れる相手ではない。
ひととおり聞いてから、わたしはひっそりと言う。そうとも限らないと思う。
じゃあ、アハラさんはほんとのコト知ってるんですか? 相手の声が少し尖る。
うん。
つまり?
言えない。言えないけど、そうじゃないってことは言える。
真実はいつわかるんですか?
ずっと言えないまま、かも。
真実が永遠に明かされない? って許されるんですか?
しかたない、のかな。
わたしが人生ではじめて、ものごとを明言しなかった瞬間だったかもしれない(大笑い)。
ってか、わたしには精一杯の「明言」だったんだけれどね。(この場合、相手に同調しちゃうとそれを真実として言いふらされるのを避けたかった)
今年の夏は。
わたしが人生の師と仰ぐおふたりが、相次いで亡くなってしまった。浅利さんと津川さん。ご高名な方たちなので、メディアやSNSでいろいろな方たちがいろいろなコメントをされたり、特集されたりする。
もちろん、わたしが知っているのは何年かにわたるささやかな接点でしかないし、それでも直にやりとりしていただいたことは、わたしだけのきらめく真実であるわけで。つまり。
え? そういう言い方、まとめ方、しちゃう?と、感じることが、あるのよ~ 少なからずね~
そして、
わたしですらそうなんだから、ズット多感な方もいらっしゃると思うわ~
で。
文頭に戻ります。