すてきすてきすてき!
新演出の『モーツァルト!』を見ましたよ。@帝国劇場
古川・綾ちゃんペアでした。
装置が一新して、全体に少しずつ少しずついろいろが刈り込まれて、
今日は一階A席の端っこの席だったんですけれど(チケット、取りづらかったよ~)、歌詞がくっきりと聞き取りやすくって、
結果、
あーそうだよね、この歌、このシーン、そういう意味だよね!が浮かび上がって、
だから!
それぞれの自分自身との葛藤が、そして人と人との葛藤が、とても胸に迫ってくる印象になったと感じました。
パパも、ナンネールも、コンスタンツェも、とても哀しい。
装置の前面を縁取る三本の五線譜が、しゅぅぅっと動くのが、額縁の大きさを自在に設定して、美しくスピーディに効果を発揮してました。
そしてピアノ型の、階段! 階段最強! 人と人との距離感を、絶望を、希望を、探り合いを、なんて多く物語るのでしょうね。
古川くんの新ヴォルフガングは、(何曲かで課題は残るものの)ナイーブで素晴らしかったです。かれの持つ、とりとめのなさげな雰囲気が、アマデという才能が抜け落ちた後の、奔放で生身の「からだ」っぽくてね。
ふたりでいると、半身同士に見えて。ふたりでいるのに、とても孤独に見える。
古川くん、前任者たちをなぞるのではなく、自分の感覚として演じてるのがすごいです。(一か月後にもう一度みる予定で、とても楽しみ!)
そして今日は、綾ちゃんの回を観るためにとったチケットです。
未来の墓堀り時の態度につながる、嫁としてのコンスタンツェの苦悩! ミュージカルというよりライブの歌い方っぽさがちらつくけど、女性として独立した人格を持ってて、好きでした。
あとね。高台に立つ猊下から、長く零れ落ちる赤マントの美しさ~ 本日一番の萌えポイントは、そこ~(マニアックすぎ?)
いばりんぼの歌、神との対話、やっぱ似合うよね~ (こないだのさわやかなカントリーなんかもよかったけど)
ヴォルフと対立する歌は、今後に期待☆
そこからの流れが、音楽がお貴族だけのものから「みんな」のものになっていく演出になったのが、めっちゃステキで。
つまりあのときの猊下の執着は、滅んでいくなにかの象徴なのかな~とか思ったし、ヴォルフはいろんなものを振り捨てるお年頃だったのかな、とか。
えーと。だから、古川くん、おじさんに負けるな! がんば~
♪ 自分の影から逃れられるのか?
の意味が、今日、初めて実感したかもしれないのでした。自分の中の、目をそらしたい部分を、キッチリ自覚し、受け入れろ!って。
あー震える恐怖だ。
でも、それと向きあった者だけが見られる風景があるよって、ね。