こんな夢をみた。
その村はなにかのイベントらしい。ざわついている。そんな日に、迷路のような建物の中をわたしはあれこれと思いついては、さ迷っている。しなければいけない作業もあるようだ。
その中でわたしはひとりの子どもと2回、すれ違う。なぜか黒いかっきりとしたアイメイクをした幼い少年。
かれはどうやら造形的な才能と個性に秀でているようだ。だがアートには無知な狭い地域で育ってるゆえに技術はひどく稚拙だ。
夢の中のわたしは反射的に、広い世界のいろいろなアートをかれに体験させたら、必要な技術と素材を与えたら、どうなんだろうかと感じる。このまま世間に知られることなく埋もれさせておいて、いいのか。おそらく経済を動かすアーティストになれる気がする。
「ねえ」
2回目に会ったとき、わたしは少年にかすれた声をかける。黒いアイメイクが無表情にわたしを見返す。
「ねえ、もっと……」
と、目覚ましで起こされてしまった。
(-"-)
目覚めてからずっと、わたしは考えている。
夢の中でのわたしの反射的な考え方は、正しいのか。資本主義的な思い上がりではないのか。
かれは村の中で、世の中のことは何もしらないまま「狭く生きる」ことが幸せだし権利なのではないのか。