今月の観劇から。
ミュージカル『エドウィン・ドルードの謎』は、先月末のシアター1010のプレビュー公演を経てのシアタークリエでの東京公演なわけだけど、
クリエに移ったときまず、「ミュージカル慣れをした劇場」ってあるのかしら?と感じたんだ。なんだろう、足を踏み入れた途端から落ち着きどころがよくて、わくわくさせてもらえる空気。単にわたしが通いなれてるから?
客席に座って音を受け止めたとき、その豊かな奥深さに「劇場がミュージカルをよくしてくれてる」と感じた。変わらない演奏と歌なのに、音の味わいが違うのだった。
赤坂ACTシアターでミュージカル『グランドホテル』を観たときは、二階席の最前列だったけれど、座ったとたん「しまった、ここはそうだった!」とすでにスゴク後悔してた。この劇場は、客席と舞台の距離が遠いというか、空間に無駄な余白が多いというか。しかも音のバランスがね、オペレーターさん一回二階席に座ってみ!と言いたかったよ。ボリュームあげすぎて、せっかくの歌声のニュアンスが消えてしまってた。
作品は意欲的な演出だったけれど、ね。わたしには文字通り遠い世界のお話のようにしか届かなかったの。
二階席といえば、四季劇場[海]でみた『アラジン』も二階席二列目上手端だったけれど、カラオケである以外はなん違和感もありませんでした。ちなみに舞台との物理的な距離も近かったです。
赤坂ACTシアターは劇場とかミュージカルとかを「まるで知らない」方が設計したのかもしれない。外観のレンガ敷きの階段はとてもステキだが、そうそう、ロビーも居所がなくてひどいし、ミュージカルを見に行く劇場じゃないわね。
(と、以前も思ったのに、演目に惹かれてのこのこいっちゃったぃ)
そして昨日はKAAT神奈川芸術劇場。ホール内特設ステージで『夢の劇-ドリーム・プレイ-』。
三方向のすり鉢の客席の、わたしは正面、前から二列目で、舞台面は広く天井は高く、四人の音楽隊ははるかかなたにいらしたにも関わらず、音楽にもセリフ(ピンマイク使用)にもなんのストレスもなく、わたしは心地よく酔った。
この作品は何もかもが素晴らしかったのだけどね。すべてに神経が行き届いているってこういうことなんだなと。
あたりまえに美しく聴こえることが、どれだけ素晴らしいことか、
ありがたいことなのか、
うん。そっちに感謝し感激しよう。