あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

直すつもりが!

愛用の日傘の持ち手が、壊れた。
 
ぐらぐらしてるなと思ってた数日後、いつも手にしているあたりがぱっくりと割れたのだった。
外皮1枚で、かろうじて繋がってはいる。
隙間から柄の中を覗くと、(高級そうな振りをした日傘なんだが)濡れたボール紙をちぎったみたいな素材だった。
 
なにしろ、愛用の日傘なのだ。
先日。うっかりと横浜に忘れても、きちんとその場に連絡して、次の日が雨だったにも関わらず
優先して迎えに行ったくらいである。
 
 
さて。
 
常備してあるアロンアルファ(瞬間接着剤)を、割れた隙間にたっぷりと流し込み、
しばしぎゅっと押しつけるようにして、待つ。がっつりとくっついた。
案外、雑で簡単な修理であるが、見栄えに問題もなく。手にした感じもしっかりとしていて、
 
愛用はまだまだ続くように思われ、わたしは幸せだった。
 
 
雨の日をおいて、2日ぶりの出動となった。
 
夏の日の日傘のよいところは、つまり炎天下で日陰を持ち歩くことにある。
かなり涼しい。
信号待ちなどで佇みながら、無意識にくるくる回していたりして、リズミカルでもある。
 
まあ、その日(昨日)は台風が接近していて、空の高低で雲がぐるぐる流れている天気ではあったが、
紫外線は雲を通して降り注がれているはずなので、日傘の出番なのだった。
 
 
そしてマンションを出て、日傘を開こうとしたわけだが、――開かなかった。
え?
 
歩きながら傘の内部を覗き込んでみると、あれこれがきゅうきゅうとくっついている。
気がつかなかったけれど、作業しながら接着剤をこぼしたのかしら?と思いつつ、
なおも歩きながら、ばりばりと布だのをひきはがす。
 
乱暴なやり方ではあるが、
剥がれた。
が、日傘そのものが、なおもびくとも開かないのだった。うぐぐぐ。
 
 
これから先はおそらく、なのだけれど。
 
どうやら接着剤はこぼしたのではなく、持ち手の割れ目に注ぎ込んだついでに、
柄の金属部分の内部にまでつたわり、
その金属に機能上開けられているスリットから外にこぼれ、固まったらしかった。
 
傘というのは金具がスライドして、数か所のスリットから顔をのぞかせる止め具で位置を固定させて使うわけだけれど、その止め具のスライド部分が、がっつりと内部からこぼれた接着剤で固まってしまったらしい。
 
ほんっとにね。見事にびくともしないの。
  
昔のアロンアルファは瞬間的な衝撃に限ってはパリンと弱い。という欠点があったけれど、
最近は克服したとか聞いた。
念のために、カンカンとぐるりを叩いてみたけれど、状況の変わる気配もなし。お見事。
ムカムカ。余計な精進をしやがって、と、理不尽な怒りがよぎらなかったわけでもないのだが、
まあ、とにかく、
 
 
かくして愛用の日傘は。
美しいたたずまいを残したまま、役立たずな不燃ゴミになってしまったのだった。
 
しかも自分の手で葬ってしまったワケで。無念無念。
 
  
Stamp05houuu
 
 
ちなみに昨日は、外出中ずっと大切にその開かない日傘を持ち歩いてました。
もの(小道具)の存在感について、チョットいろいろと思うなり。