あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

詩人になる

昨日観たミュージカルは東京で初日があけてから1カ月半たち、本日が東京公演千秋楽。
 
さて昨日のマチネは、初日近くで観たときの出来に比べて格段の空気感で。
役者さんたちの細かい気づきの積み重ねと、ニュアンスの練れ具合に。大作としての風格がでてきたなあ、と感じ。
 
そして。日本って奇妙だなあ。
新作ミュージカルを東京でトライアルしてから、地方を回っていくんだなあと、気づいたのでした。

昨日のように、いい感じに醸された舞台を。初めから観られる大阪や博多や名古屋のお客さまは、幸せですね。
はい。東京の観客が、舞台を育てておきましたよっ。とかね。
  
ブロードウェイとかでは、地方巡業で半年くらい?トライアルを重ね、本公演でも2週間くらい?プレビュー(やや低料金の前公演)をして、作品の手直しを重ね、キャスト・スタッフも自分の責任を研鑽してから、
これがわたしたちの作品です!と世の中に提出するシステム、なんだそうです。
 

まあね。東京には江戸から続く、初モノ好きの慣習があるからな、とも。
 
 
 
ミュージカルの訳詞についてのテーマで、
 
ひとつの音符に、
基本、ひとつの音しか乗せられない日本語と、ひとつの単語を乗せられる英語との、
情報量の絶望的な差について、がありますが。
 
わたしは最近、俳句にヒントがあると思っています。
 
日本語では17音縛りで詩情を表現する俳句を、英語だと17の単語で挑戦するみたいですよね。
でも俳句の描く奥の深さに、英語はなかなか届かない。
 
というのもまた、日本語の特質。行間を読める日本人の特質。
風景や抽象を描けば、自然と心情がついてくる。
 
 
その行間部分を、役者のからだとお客さまの心が共振してくれれば、いいような気がするのですね。
説明することで意味を限定すると、逆に想いは届かなくなってしまうみたい?
 
 
 
そうそう。話は昨日のミュージカルに戻って。
アスカムじーさんが、一歩離れた場所で、世界平和を願って、もの静かに絶唱する! のも、ありなんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう?? 
 
ってか、昨日はその片鱗を、花開く前の朝露のように、感じたってことなんですが。
 
 ノ( ̄▽ ̄) てへっ