夕べ、たくさんの才能が結晶した(はずの)ミュージカルを見たあとから続く、このがっかり感はなんだろう?と考えていて。
そうか。わたしは、
新しい「恋」をする気満々で観にいった舞台に、ちっとも恋ができなかったから。
ミュージカルを観ている自分がうれしいのは、恋をしている気分にとてもよく似ていたからなのか。
ふむ――
わたしは、新しい自分と出会わせてくれることを期待してたんだ。
自分がおびやかされ、掻きまわされることに、どきどきしたかったんだ。
移ろう季節を愛でるように。植物の成長を楽しむように。
わたしは、
また新しく、恋をしたかったんだな、きっと。
ミュージカルに。誰かに。
それができなかったからの不機嫌とは、ずいぶん身勝手だったわ。
でも、
だからって反省することでもないわね。
そうか。恋をしたかったのか。
ミュージカルを愛するってことは、そういうことだったのかぁ。