幼稚園でのヘブンの公演が終わり、あらかた撤収したので園舎のふちに腰掛けて、残りの作業を眺めてました。どーせおばさんは邪魔だろうさっ。
すると、先生のおひとりが話しかけてきた。
さっきまでこのりん(小仲井さん)に熱心に話しかけてらした方なので、ジャズが好きなんだろうな。「こんな田舎で、こんないいものを身近で見させていただいて」(←東北のイントネーションで読んでね)と、興奮いまだ冷め遣らず。
わたしが好きなシチュエーションはね、
こうして二人で楽しくおしゃべりしてると、他の先生方もひとりふたりと加わり、手の空いた他のメンバーもばらばらと加わりして、
ふわりと持ち寄ったような、10人くらいでの和やかなトークになる、あの空気。
このときは、わくわくが冷めない(おそらく普段は生真面目な)女子たちの夢見心地に、もう少し魔法の粉をふりかけるように。
親しみやすい上質な文化の香りをたてるように、明日の気持ちの糧と繋がるように、
そこに、ランチを済ませてきたらしい園児たちが10数人、駆けてきた。
きらきらをまとってる。うははははっ。きらきらわくわくしてるよ。かぁいいなぁ。
先生がその中のはにかみ屋さんの背を押しながら「このコが恋をしちゃったらしくて?」とおっしゃるので、どの人?と聞くと、ジェンさんを指す。
このおにいさん?とタンクトップを引っ張ると、するりとシャツだけわたしの手に残り、ジェンさんはついてこない。振り返るとハダカのまま笑ってる。(芸人ってのは、こんなときでも見せ場を逃さない)(くそぉっ)(そりゃ、みんなは大喜びだが)
今度はがっつり右手を掴んで引き寄せ、握手する?と聞くと、いやいやと首を振る。
れ? この人じゃないの?と、ジェンさんの頭にぺろんとシャツを投げながら訊くと、
チョコさんを指す。
やーい違うってぇと、チョコさんが来て、
このおねえさんなのね?と訊くと、またいやいやとする。
え???っとぉ???
そして、ジェンさんを指して、チョコさんを指差した。
おおぅっ。
このふたりがさっきケンカしてたから心配になっちゃったんだ?と訊くと、こくりとした。
(念のためにいうと、ショーの内容が男女の喧嘩をベースにしたアクロバットです)
「大丈夫だよ、僕たちはもう仲直りしたんだよ。今はこんなに仲良しだよ」と、あわててジェンさんがチョコさんの肩を抱き寄せる。
先生たちも同じようなことを口々に言い、
女の子はようやくにっこりとした――
あんなに親身に心配してくれる反応ってすごいね、
帰りのバスでチョコさんに言う。
「仲直りしてからの演技をたっぷり見せてんのになぁ」
それでもあのコには心配しちゃうほどの印象が残ったってことよねえ。
ってかさあ、チョコさん表情がくっきりしてきてない?ウンヌンと言ったら、
最近、気持ちとからだをリンクする演技のWSに参加してるんだって。
大道芸でも、演劇のような感情の揺さぶり方ができるのかも? そしたらスゴイね。