2012/6/18 19:00- シアタートラム
構成・演出が長塚圭史さん。制作のお名まえはSePTの方だったと思う。
夕べ、この舞台を観てから、自分の中をいろいろ探ってみているんだが。
うーむうーむ。
日常のシーン(高速道路の渋滞)から始まって、避難所みたいな助け合いムラになってと、どんどんシュールな世界へスライドしていく演劇、でした。
と、今ね。
文を書きながら、ただの「演劇」と書くか「実験的な演劇」とするか、ちょっと考えたのだけれど、つけなかったでしょ。問題は、そこ。
すり鉢状にみんなで見下ろす舞台上では、へんてこなことばかりやっているのに、へんてこを見ている意識がまるでない。
それはもちろん、役者さんたちがふつーな日常的なやりとり、演技をされているからでもあるわね。
だから観ているほうも、ときどきアレとかオッとか思っても、すぐにへんてこさに慣れて、普通の風景をみている気分になっている。
途中、キャラのひとりが奇妙な状況に気づいて言い出しても、みんなに疲れてるのよと言われてそーかなーと首を傾げて済ませてしまうシーンも。ほんとだったら、こわいなーと思うはずのポイントでしょ?
でも客席に緊張感は走らなかった。みんなで一緒に、ぼぉーっと、その場の空気に飲み込まれてしまってた。ような気がする。
自分のどこかがにぶくなっているのかな?と思う。
日常の感性が?
これも、震災とその後という非日常を通過したせい?
他人とあっけなく仲間意識を持てるようになっている。そしてすぐに他人に戻れる。
それとも、
演出家の目論見に嵌まっただけなのかな?
最後はさもありなんというエンディングに着地。
ただね、残ったひとりの表情が、男子だったから泣き顔だったけれど。
あれが女子だったら、やわらかな笑顔を締めくくったんじゃないか?という気がする。
んん。男女差というより、個人の感性の差かしら。
時間を通過したわたしの中に残ったのは、泣き顔じゃなかったんだ。
24日までやってます。