あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

流行りの音楽

先日、お久しぶりにM.ポルナレフのベスト盤CDなんぞを引っ張り出して、聴いた。

中1のときに出逢って、初めて集中的に好きになった外タレです。
当時は何故かロックとカテゴライズされていたけれど、フレンチポップスが一番収まりがいいと思う。 ピアノの弾き語りと、美しいファルセット(裏声)が魅力。
(そしてビジュアルデザインの発想がひびさんと似てる〜)

今から40年前。 音楽を聴こうとしたら、レコードかカセットか、ラジオの深夜放送でした。
って、今どきの若い人に解かるかな。
だからCDプレーヤーで聴くために、ベスト盤が手元にあるんだ。
T.REXやD.ボウイも、当時好きだったのは、逆にみんなベスト盤。

で。 確かにポルナレフは、ロックも歌ってるし、一番の代表曲はアップテンポなポップスで、今でもときどきCMで流れたりもするんだけれど。
なんといっても、せつないロマンティックな曲が素晴らしいの。

なんで、その路線だけで勝負しないのかなあ、
なんで売れ線を求めて、ちぐはぐなロックとかを無理に歌うのかなぁ。
と、当時から思っていたけれど。

今回、聴いてハッキリした。
かれ(orプロデューサー)はヒットを目指して、当時の流行の音楽風に迎合して、失敗したんだねえ。 (あ、失敗ってゆっちゃったぃ)
1曲ごとに、実にいろんな音楽的に新しいコトに挑戦してたんだと、今ならわかる。
買ってもらうためには、フレンチポップスではなく、無理にロックにカテゴリーしなければいけなかったんだね。

でも40年たっても、胸に迫る音楽は、変わらない。
無駄な戦略努力が、才能をダメにした、かも?と、思ってしまった。

 

 

コーラスライン』というミュージカルがある。
だが大評判な舞台がやがて映画化されたとき、評判は最悪だった。 新しく書き直された曲も最悪で、なんで?とみんなで首を傾げたものだった。
なんで、心の叫びを、おちゃらけにしちゃうの?

今なら、わかる。
ブラックのソウルフルなミュージカルが大ヒットしてたから、それ風な、歌い上げるブラック・ミュージックに書き換えたんだって。
監督が必死に、映像化や、映画的な構成に、工夫したんだねってことも、今なら理解できる。
結果は、惨憺だったけれど、努力は、わかる。

でも当時は、そんな迎合すら気がつかず、
なんで、お下手な鉄砲を撃っているんだろうとしか、考えなかった。

 

 

それにくらべて、最近はね。
いろんな分野が細分化されて、
世間を一色に染める、流行りってなくなったでしょう。

ちょっとだけ新しいものか、スゴク安心できるもの、
上から目線で応援できるもの(AKB48みたいな)に、人気が出るのかな。

大ヒットが困難になった!といわれて久しいけれど、
無理な迎合を求められない分、案外とよい傾向なのかもしれないと思うのです。