あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

ゆで卵

ゆで卵をつるんと剥くの、苦手です。 
ちゃんと冷水で冷やしているけど、基本セッカチだからか? 

以前。
ぼこぼこのゆで卵に、ゴメンと謝ったら、
新しい卵はキレイに剥きづらいっていうヨと、慰めてもらったこともある。 が、
全然うれしくなかった。
つるんと剥けないと、なんか圧倒的に、女子力が低いって気分になる。

昔は、ちゃんと剥けたんだがな。 (卵が違うのか?) 

 

スーパーで珍しく牛スジを見つけたので、ダイコンとゆで卵のおでんを作ってます。
が、
うむむむ。 なんで、1個も、完璧につるんと剥けないんだろう?

 

辺見庸さんの短編に『ゆで卵」って作品があり、
最近読んだ本では、ダントツに「純粋に」おもしろかった。
(この「純粋に」というのは、何の役にも立たないという意味です)

その中で、ケイコが長い爪で剥くときれいに剥けないのが気に入らない、みたいなことが書いてあり、だから一層、剥けないことが悔しいような。
そんなとこでライバル心を持ってどーする? だが、持っちゃったんだから、しかたない。

主人公はポクポクといくつものゆで卵を喰い、ふぐふぐと爪の匂いを嗅ぐ。
(そしていろいろと思いを馳せる。 それだけと言えばそれだけの作品)

そういえば、ゆで卵「だけ」を食べるって、久しくないな。
と、
ひとつだけなべに入れず、皿の上で、
いただきもののモンゴルの塩をゴリゴリと挽いて、
キッチンに立ったまま、食べる。

ポクポクという文章に、ゆで卵を実にリアルに感じたけれど、
半熟と固ゆでの中間という完璧な茹で具合にもかかわらず、
実際に食べると、思うほどのポクポク感はない。

作家の、言葉の魔法に、してやられたわけだ。

 

実はこの3種のおでんに、はんぺんを入れるとむちゃ旨い。
だが、4種のネタというのは落ち着きが悪いから。 
あとひとつ、加えるとしたら何かなあと、ずっと考えているけれど、
いまだに思い当たらない。

何がいいと思う?