あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

アタタメタ感動@岩手

岩手キャラバンについて、
話すべき順番というより書きたい順に、内容を分けてブログに書くことにしました。
んで、タイトルに @岩手 と入れるネ。
そして、このツアーでのわたしにとってのクライマックスが、
ボランティア系ではなく、ショービズ系であったことも、深く自覚しようと思います。
(2番目のクライシスは、初日に見た釜石の風景)

2日目の午後の公演について書きますが、
パフォーマンス系にかかわったことのない方には、一体ナンノコッチャ?な内容だと思います。
ごめんね。
実感できる人には、スゴクわかってもらえると思うんだけれど。

 

このときのショーは、中学校の中庭で、生徒たちとご近所の避難所の方々にお届けする公演でした。
で、問題は!! この「中学生」という難しいお年頃のご見物の皆さまが、お行儀よく無反応に固まってらっしゃいまして。
――無反応――
パフォーマーがにっこりと、何をしても、冷たい風が吹き渡る、客席前方エリア。
(この無反応さは、震災の心的影響というより、年齢の問題だと思ったんですけど、どうなんでしょうね)

やばいやばい。
パフォーマーさん全員の、極上笑顔の裏側には警戒警報発令。 どーするよ、コレ?

オープニングと紹介が終わって、『クリコネカ』さんの持ち時間。
ヨーヨーの金子さん、いつも違って中学生向けな言葉遣いに内容です。(もともと兄貴な風貌だしね)
微かな笑いが起きる。
のがさず、客席の中に「いじりキャラ」をみつけて、少しずつ空気を壊していく金子さん。 

わたしは、公演の旗を持ってサイドに立ち、にこにこと、客席の横顔を観てました。
内心は、はらはらどきどき、スリルとサスペンス。
そして確信する。
このコたちは、冷めているんじゃない。 ライブとかの経験がないから、どう反応すればかっこいいのか(幸せなのか)を知らないだけだ。

客席の笑顔や拍手の拡張器となるよう、自分を意識する。 空気を揺らす。 
パフォーマーの動作にはていねいに、ガンバレ、折れるな!と笑顔と頷きで反応する。

『クリコネカ』さんが最後に使う曲が、AKB48の「ヘビーローテーション」。 控えめに起こった手拍子を、ここだっとばかりに盛り上げる。 のせる。 

客が反応として出来る動作は、笑う、拍手する、手拍子する、歓声を上げる、踊る――
笑うとか、拍手するというのは、1方向だけれど、
手拍子するのは双方向で、その場への参加意識がケタ違いになる。

 

しかし手ごわいぞ、中学生。
盛り上がった客席は、すぐに冷める方向になりやがった。 (でも、内心はわくわくと次を期待している、横顔たち) 
この辺でわたしも、歩き回りながらサックスを吹いているHIBI★Chazz-Kさんたちと、客席越しに笑顔の交流ができるようになりまして。
うん、大丈夫。 空気は少しずつ、「あったまって」きてるよ! あたためろ、あたためろ!

 

次は『GちょこMarble』さん。 (この、素晴らしい!おふたりについては、別に語るゾ)
ていねいに、媚びることなく、ラブコメなショーを織り上げていく。
GENさんは、金子さんがつくった客席の「いじりキャラ」とその周辺を、ちゃんと引継ぎ膨らませていく。
そしてちょこさんとおふたりで、客席をまあ、文字通りに揺さぶる揺さぶり、静かな感動へとふんわりとまとめて、

次を繋ぐ時間は、
パフォーマー全員が、お互いに交流しながら、一体となって、それはステキな空間を作り出しました。
あとから自分のカメラを見たらね、オープニングからこの時間までの50分間が、空白。 
スリルとサスペンスに、写真を撮るどころじゃなかったみたい。

続く『中国雑技芸術団』のふたりも、それまでにはなかったステキな笑顔の演技になっていました。 

 

この公演までの2公演も、それはステキなショーだったんだけれどね。
この緊張を潜り抜けたあと、全員に
ひとつのユニットとしての一体感みたいなものが醸されてね。
お互いをフォローするような振付が入ってきたりして、

残りの2公演は、ホントに素晴らしいショーだったんだ!!! 

って流れが、わたしにはとても感動だった。

 

ショーってのは、お届けするものじゃないんだね。
その場に居合わせたみんな(お客さまもふくめて)で、作り出す空気のこと。

ということを、今のミュージカルではおろそかになってはいないか、チェックチェック!