2010.2.16. 13:00〜 SePT
イプセンってこんなにおもしろいのか!!
男の狂気。 女の狂気。 若者の狂気。 老人の狂気。 人間の狂気。
作家は、別に狂気として書いたのではないかもしれない。 けれど、
役者という肉体を通したとき、ひとつの真実として立ちのぼってきていた。
たった4人で、あの高さある劇場空間で、人生のおかしみと哀しみとを、清冽に透明に練り上げる。
劇場でテキストを買ってパラパラしたら、原作はもっと登場人物が多いのだが、と、あった。
それを4人に絞ったことで生まれる緊張感。 テーマ。
ずっと昔、こんなのを書きたいを思っていたテーマが、そのまま、ここにあった。
どうやって書けばいいんだろうと、何年も何年もうろうろとしていたが、
古典のテキストと、熟練の役者さんたちと、演出家(栗山さん!)の中に。
一幕二場の前半が、もぉ秀逸。(なんか偉そうな言葉でイヤだが、以外の言葉が見つからない!)
どうってことのない男ふたりの退屈な会話に、客席は笑わされる。
仲代達也さんと米倉斉加年さん。
リアルとは反対の、計算され造形された人間像。 狂気に近い人間のエゴイズム、とか。
対して、女性ふたりはリアルに近い演技。 品のある芝居って、いうのか。
大空真弓さんと十朱幸代さん。
女のハラの据え方と悲劇、その向こうの哀しみ、その向こうのしたたかさ。
そうした四人が絶妙に醸しだす、少し残忍な詩情。 刹那い声。
21日までです。
わたしは開演時間間際の当日券で観られました。