あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『海をゆく者』を観た

2009.12.2. 19・00〜 PARCO劇場

……もぅねぇ。 もぅねぇ、もぅねぇ……。
あまりにステキなテキストに、何もしゃべれない。 これから観る人への礼儀だ。
泣きたくなるような、大どんでん返し。  

役者5人が、あまりにはまり役で、どーしようもないチャーミングで。
……自然で……男臭くて、あっけらかんとキチャなくて。 みっともなくて。
何もしゃべれない。
っていうか。
言葉だナンだで説明できないものが、舞台の上に、醸されていた。
乾いた笑いに包まれた物悲しいファンタジーの向こう側で、
愚かであたたかな男たちにたどり着く。 

出回っているちらしのイメージは、大嘘つきです。 煽り文句も超微妙。
でもしかたないか。
言えないもの。 説明のしようがないもの。

小日向文世さんのまっすぐ歩いているつもりの酔っ払いが、絶妙。
この方をあの役にキャスティングした方、エライです。
去り際のあの台詞の詩情。 世界が一変した。
平田満さんの、ずぼーっと普通に立っている様子が、絶妙。 なのに哀しみが漂う。

 

ちらしが偉かったのは、
あっちこっちの劇場の折込で出会っていたけれど、
3枚目が手元に来て、
わたしはやっぱり観ようと、数日前にチケットを予約したんだ。
3枚目が来なければ、こんなすてきな舞台を見逃すところだった。