あとりえあげん

世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。 HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

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『エドワード・ボンドのリア』を観た

当日券で観るつもりで、でも出掛けにばたばたしてたら
……スッピンで出かけちゃいました。 劇場に。 きゃー。
ご近所感覚とはいえ、……気が緩んでおりますね。

2009.11.27. 19・00〜 シアタートラム

うほほほ〜〜〜っ 実にかっこいい舞台だったぁ!!!

リア王』を下敷きにしながら、
シェークスピアより、よっぽどかっこよくて、胸にズンズンときて、
つまり今のわたしたちの言葉、世界が投影されてるテキスト。
すんげー残酷なブラックユーモアも。
朴訥な領民とか、騙しあう支配者層とか。

あー。
こんな芝居、書きたい〜〜!!って久々の感情だぁ!!

演出が、装置が、衣裳が、かっこいい。

ストンプって言うんだっけ?
工事現場の足場のパイプとか、一斗カンをがんがん叩いて
音楽になったり、効果音になったり。 銃声になったり。
音楽がね。 役者に、シーンに、装置に。 やけに深く絡みつくな〜と思っていたら、
役者さんのひとりが演奏(逆か? 音楽家が役者を?)をしてらしたのでした。

囚人たちをつなぐ鎖が重くじゃらじゃらしている質感と、
引きずりまわされ投げ出される肉体の質感。
投げ込まれた水筒を巡るささやかなほんの数分のサイド・ドラマすら、ていねいに作りこまれている。 とか。

ひとりが何役もされるのですが。 全員がステキな造形。
ぅあ。 あんな悪女(とも言えないのだが)で、あんなすったもんだをやった後に、そんな役を?とか。

リア役の、串田和美さんのすごいのは。
よれよれのシャツにズボン吊りって衣裳で、落ちぶれた老王を魅せられること。
そしてこのさんざんの長丁場(全三幕)の最後のシーンで、
壊しかけていた高い壁の上から、三段落ちで床に転げ落ちる。

それからこれは、テキストと役者と両方がすごいのだが。
リアが狂気に陥っていくほど、人間性に溢れた「いい人」になるんだよ。
対比して、社会という歴史の流れが狂って見える。

パンフレットに演出の白井晃さんが、根源的な無垢こそ人間性を定義する
とか書かれていらして。
とても救いになる考え方だなあと。

唯一、あーあーだったのは。
トラムのベンチ! やっぱ硬すぎ! 尻痛い。