久しぶりに、血まみれな狂気が突き破る「濃い」舞台を観ました。
あー、すごかった♡
底辺な日常から始まって、女と男、その周辺の3人だけで描かれるアメリカ的な狂気が、管理社会という妄想に包まれるゆえ孤独に追い詰められる怖さをあぶりだす。
一番怖かったのは、
孤独な女が愛する男に必死に同調したいがため、かれの偏執狂を共有してゆくあたり。
パラノイアが伝染っていくんだ。
その様子に客席からはくすくす笑い声が起きていたけれど、わたしは怖くて両手を握り締めていた。
破滅を感じながらも気付かない振りをして、男を熱愛する哀しさ。 ヨロコビ。 絶叫。
そのあとのポストトークで、
あの感情を共有できない人にはコメディなのでしょうね、とコメントがあり、納得。
主人公の女性役は3週間前に病気で降板、交代。
全然違うタイプの方たちなので。
たぶん美穂純さんだったら、こんな絵になってただろうなと無意識に重ねながら観ている。
そして西山水木さんは、戯セミで演じるということを講義してくださった女優さんで、
血まみれがそれはカッコいいです。
いろいろと羅列する虫の名まえ(嘘半分)と、小道具の顕微鏡。
訳・演出の坂手洋二さんがいかにもわくわくしたんだろうなーと、ちょっと微笑。