衝動的に鮮やかな色の口紅を買った。
次の朝、化粧の最後にあっさりと塗ってみたが、ずっとナチュラルなぷるぷるビンクを塗っていた顔は筋肉が寝ぼけていて、口紅の色が浮いている。
が、
そのまま5秒で顔が変化して、口紅の色の強さを支える強い「目」になった。
口の端がきゅっとあがる。
年の功とは、このこと。 自分でも驚いたけど。
そうしたら、秋だからクリ色!とスタイリストのウエスギさんが入れてくれてエクステが、口紅の赤と引き立てあって、いい感じ。
表情が強くなると支える姿勢もすっと伸び、
ハラにくいっとチカラが入った時点で、気付いた。
投稿するために書いていた戯曲、追い込んでいるうちに、
そうか、コイツ(登場人物)はこれを言いたかったのか!という底に手が届いた。
わたしが何年も、手を変えて切り口を変えて向き合ってきたのは、
ここに届くためだったのか。
でもそれは、チョックラ世の良識には反する内容で。
指摘・糾弾されれば、反論もできるけれど。
大衆に理解はされがたい感性である気がする。
でもこのテーマを捨てる気はないし。
たぶん、わたしの中にある闇のひとつなんだろうな。
ようやく届いた、人間の業のひとつ。
書いてしまえば、どうってことのないコトでもあるんだけれど。
でまぁ、
わたしは自分で書いた戯曲を書き上げるために、
日常からして
ハラにチカラを入れなければいけなかったし、
姿勢も正さなければいけなく、
笑った赤い唇の、強い目をした表情にならなければいけなくて、
無意識に赤い口紅を買ったらしい。 (……ホントか?)
つけたし。
このメイクだと、混んだ朝ラッシュに半分寝ぼけて立っていても、
男性諸君がすぃと場所を作ってくれる気がします。
お買い物でも、
いろんなシーンで、いろんな人たちの愛想がいいような気も。
気のせい……じゃないと思うよ。