あとりえあげん

世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。 HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

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文脈

ゴールデンウィークに山梨の家で会った若い人に、お薦めの本は?と質問して、
教えてもらったのが日本のミステリー数冊。
なのでここしばらく読んでる本の傾向は、アマゾンの検索時にぞろぞろと出てきた類似本とか、
その他・映画化されてる話題の本とか。

今日、読んでた小説の14歳の少年の1人称部分は、サリンジャーがベースになってるよなと思う。 どこが?と言われるとツライんだ。
思考を細やかに傷つきやすく断定的に描写することで、共感を得る仕組みというか。
だから逆に、現在の日本の14歳にしては繊細すぎて透明すぎる気がしてしまう。
日本の男の子は、もっと重層的な内面を無意識に複雑に操ってると思うなあ。
青春の空気を書くのは上手な人で、魅力的なせつなさに一気に読んだけど、
本来のテーマや、人間が本当にキズついたときの怖さが途中であやふやになってたのが残念。

と、分析すると、自分の「書く」技術に、即、そのまま、反射して返ってくるからコワイコワイ。

おとなはいまだに、14歳の少年のこころを読み解こうとする。
日本のミステリーを読むと、あの事件のあの解釈を転用したなってパーツとよく出会う。

…………。
今夜は『トーマの心臓』を再読したくなってきた。

 

『朗読者』
映画の邦題は『愛を読む人』。 
怖いのが、半分くらい読み進むまで、自分は以前読んでるなと気付けなかったこと。
それくらい、もっともらしいようで実は何も残らなかった小説。 わたしにとって。
若い頃のわたしだったら、むしろ蔑んだ印象すら持ったかもしれない。 よく考えられ計算された、感動的な美談として。
再読だと気付いてからあとは、語り口とか構成の巧さの解読が先にたっちゃったかも。

文章ね、村上春樹に似てる気がすんだけれど、どうなのかな。 原作者がか、翻訳者がかは不明。 たぶん原作者だな。
知能の高い人物たちの気持ちの流れを静かに深く追っていく感じとか、主人公の青年が巻き込まれ型であるあたりとか。 巻き込むのは過去に深くキズついた女性で、青年が青年ゆえに力が及ばなく挫折するとか。 それもあまり苦悩しないで、ただキズつくだけだとか。
そういう気分が、甘くツラクせつなくて、自分も一緒に高尚になれた気分になれて。
わたしは村上春樹を数冊しか読んでないから、よくわからない。
と思いながら、誰か解説してくれないかなあ、と思う。

大ベストセラーですぜ。
人々の心を鷲掴みにできる作法を秘めているはずなんだ。