今月の頭。 会社帰りの電車で、弟からのメールに気がついた。
最後のおじが亡くなった知らせ。
(父も母も八人兄姉弟の末っ子なので、わたしには覚えきれない数のおじがいたのだ)
電車を降りたらそのまま、いきつけの美容院に直行する。
ワインレッドに金・銀のラインを入れたネイル・ジェルを落としてもらう。
さすがに葬式にはマズイと思ったのだよ。
いつも担当してくれるスタッフたちが不在の中、1週間前に初めてシャンプーしてくれた新人がにこにこと挨拶に来る。 いいコだな。
家に帰って、父と弟に電話。
それから、夕飯を食べて。
さびしくて、さびしくて。 泣くほどではないけれど。
おじが酒好きだったのを思い出す。
今夜はひとりで偲ぼうと、冷蔵庫に寝かせてあった日本酒の封を切る。
純米酒。 辛口うすにごり。
ぱぁぁぁぁっと、華やかな香りがさびしいわたしに満たされる。
ああ、こういう酒の味わい方が。
人生の味わい方が、あるのだなと思った。