あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

「M!」を観た

                             2007/12/2 17・15〜 帝国劇場

売店で、パンフレットくださいと言ったら「プログラム」ですねと言い換えられた。
ん?
プログラムっていうのは演目なんかのこともそういうわけだけれど。 と横を見たら、大きく「プログラム」と書いてある。
何冊も何冊も買っているはずなのに、今まで気にしてなかった……。
わたしの注意力なんて、そんなものなんだな。

久しぶりの「M!」。
Wキャストなのに過去、井上くんの回しか観ていない。 今日もそう。
自宅の棚をあされば、なかちゃんがダビングしてくれた中川版のCDもあるはずだけれど、聴いていない。
わたしの中ではゆるぎないキャラとなって、無意識にセレクトしているのか。

芝居がうまくなるって、こういうことなんだ……って。
全体の中の自分を意識できているっていうのか、相手の話を聞きながら自分もしゃべっているというのか、
説得力がでてきて、このシーンはこれを見せたかったんだと改めて感じる。 だからドラマとして、とても面白かった。
今日の席は、前列の頭がセンターにかぶって見えなかった!のだけれど、舞台上をよく動いてくれるので、うれしかった。 って、この感想は変か?
技術がうまくなったけれど、全力疾走感は残っている。
すごいなあ。 芝居を観る楽しみって、これだよねえ。

市村パパが(ああ、ホントにパパになったんだっけ)、後半、昔風の偏屈オヤジに見えるのがいいな。 
井上ヴォルフガングとの対立の哀しさがクリアになったよね。
あとなにげないようで、高橋ナンネールがいいンだろうな。
世の中に生贄にされた「家族」感が伝わってくる。

HIROさんのコンスタンツェ。 
ああ、再々演で初めてコンスタンツェと出会ったなと思う。 オバカさんで一生懸命で。
歌いだすと流れを無視した3分間の歌姫って迫力。

コロちゃんは、
あ、言い出すときりない、細かい感想がいっぱい。
キャストが変わって、アルト伯爵とのコメディ・コンビ感がなくなってしまったのね。

 

今回、この舞台に以前から感じる違和感の正体がちょっとだけ見えた。
たぶんね。 レイアウトに集中点がない場面が多いの。
あっちとこっちで同時に大切な芝居をしていたり、視点がどの流れを追っていけばいいのか わからなかったり。
二幕頭のピアノの扱いが、どうしても効果があるように思えない。
で、無視してアンサンブルを観ていると(このお飾り的な演技もよくわからない)、びかって、きっつい反射光がピアノの存在を主張する。
で、ちょっと苛っとくるんだと思う。

まあでも、今までで一番楽しめた「M!」だったと思いました。