2007/10/8 14・00〜 吉祥寺シアター /ザ・ガジラ
ようやくバタ足を覚え始めたときに、どうしてオリンピック級の水泳選手を観にいっちゃうんだか……。 (演出のコト)
わかったようなわかんないような、話なのに、演出なのに、めちゃくちゃカッコイイ!!
「リアル」な「人間」たちが「そこ」で「関係しあっている」だけで、充分。 と、おっしゃった鐘下サンの演出です。 ああ、なるほど。 ……ああ、そうかぁ。
「サイレント・ヒル」というシリーズのゲームがある。 なんとなくあの世界観を思い出す。
暴力や侮蔑や冷笑。 不安で不愉快なのに郷愁があり、吐き気をこらえながらも指の隙間から、すべてをしっかり見届けないと気がすまない、ような。
今っぽい若者言葉、人間のたよりない浮遊感。 神経を逆撫でていく、水音。
そしてそれらを、距離を置いてあくびをしながら眺める、観客。
ああ、地獄だ。 いいえ、地獄と呼ぶには頼りない世界。 だからヘル。
少年を女性が、狂った母親を男性が演じていた。 なんかそれが、絵として美しくハマってしまっている。 何故だろうと考えても、理由なんかに行き着かない。 ただ美しい。
血にまみれながらもがく、人間は美しい。
劇場で遇ったまもりサンが。 あれ、白いシャツにぽつんと赤い染み?
やられたわ。 最前列で観ていたから血糊が飛んだんじゃないかな。
なんかそのコントラストが、妙にエロくて、そのあとずっとちらちらとながめながらどきどきしていた。