あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

「ヘル」を観た

                    2007/10/8 14・00〜 吉祥寺シアター /ザ・ガジラ

ようやくバタ足を覚え始めたときに、どうしてオリンピック級の水泳選手を観にいっちゃうんだか……。 (演出のコト)

わかったようなわかんないような、話なのに、演出なのに、めちゃくちゃカッコイイ!!

「リアル」な「人間」たちが「そこ」で「関係しあっている」だけで、充分。 と、おっしゃった鐘下サンの演出です。 ああ、なるほど。 ……ああ、そうかぁ。

「サイレント・ヒル」というシリーズのゲームがある。 なんとなくあの世界観を思い出す。 
暴力や侮蔑や冷笑。 不安で不愉快なのに郷愁があり、吐き気をこらえながらも指の隙間から、すべてをしっかり見届けないと気がすまない、ような。
今っぽい若者言葉、人間のたよりない浮遊感。 神経を逆撫でていく、水音。
そしてそれらを、距離を置いてあくびをしながら眺める、観客。
ああ、地獄だ。 いいえ、地獄と呼ぶには頼りない世界。 だからヘル。  

少年を女性が、狂った母親を男性が演じていた。 なんかそれが、絵として美しくハマってしまっている。 何故だろうと考えても、理由なんかに行き着かない。 ただ美しい。

血にまみれながらもがく、人間は美しい。 

 

劇場で遇ったまもりサンが。 あれ、白いシャツにぽつんと赤い染み?
やられたわ。 最前列で観ていたから血糊が飛んだんじゃないかな。
なんかそのコントラストが、妙にエロくて、そのあとずっとちらちらとながめながらどきどきしていた。