洋服でね、
もうゾーキンみたくなっちゃってるのに、捨てそびれているのって何枚かあるでしょう。
朝、寝ぼけながら手を延ばして触った服を着ているわたしとしては、今日は最低なセレクトだった。
着替えたいくらいだけれど時間ないし、帰ってきたらマジ、ゾーキンだな。 ってボーダーシャツにスカートにカーディガン。 しかも全部安物買いの……。
今日は、新人mayuの20歳のお誕生日。 20歳ですって。 おめでとう、今日から選挙に参加できるのね。 それでもタバコは吸っちゃだめだからね。
で、ふと、
おうちに帰っても今夜、母は夜勤でいないんですナンテ聞いちゃったら、人間として、そのままおうちには帰せません。
じゃ、帰りに1杯。 (わたしはほとんど飲めないんだけれどね)
先日、ランチに行ったJ-Bridgeという店が、ハンサム揃いのギャルソンばかりで、風変わりなパスタもおいしくて、
mayuが20歳になったら、夜、カクテルでも飲みにこようねなどと言ってたので、そこに向かう。
が、何よ。8時半まで貸切だって。
仕方なく、ぶらぶらと日本橋に向かって、歩き出す。
「いかにも東京って風景ですよねえ」 越谷ッコのmayu、ビル街を見回してため息。 ははははは。 そうなのか。 ……魔が刻だしな。 風景に溺れやすい気分になっている。
「わ、すごくきれい!」な月が出ていた。 写真はブレてただの光の点ですけれど、五日月くらいのやせた月です。
さ、これが始まりだ。
横断歩道を渡ったら、つまり月と一緒に映ってたビルはマンダリン・ホテルだった。
20歳の誕生日だもんね。 夜景でもみながらホテルでお食事しようか。
はい……。
つくづく後悔しました。 わたしの服……、だからさ、今日はさぁ。
しかも「昼はパスタ屋」ってお店で軽く1杯、のつもりでしたから、髪はぼさぼさ、メイクはほとんど落ちている。
……オトナの女であるためには、いつだって気を抜いてはいけないって教訓ですね。
はい。 でも、20歳の誕生日は一生に1度しかないんだからさ。
お上品なホテルに、そのまま堂々と入りました。
38階。
きゃぁ♪ 思わず声がでた。 すっごい夜景♡♡ 丸の内方面になるのか?
東京は奥が深いなぁと思う。 ホントにキレイです。
ホテルの方たち、プロでした。 ゾーキン寸前の服のオバサンにも、丁寧にフレンドリーに接してくれました。
はい。 お上品なレストランに入りました。
mayuは、ある時期、一緒にランチに行くのを渋り出し、何故かというと毎回、わたしが支払うのを恐縮しちゃったってなコです。 あの、わたしがmayuを相手に割り勘というのは、逆にちょっと恥ずかしいのだけれど、ね。
そんなわけで、レストランの入り口で一番安いコースを指差し、これならいいでしょ?と。
あああああ。 デートなんぞとご無沙汰なわたしとしては、久しぶりにきれいな風景を眺めながら、おいしいお食事をいただいて、かなり幸せでした。
mayuとはなかなかプライベートなことまで話せたし。
さんきゅ & おめでと。 20歳。 すてきなすてきなオンナの幕開けだよ♡