あとりえあげん

世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。 HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

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人がそこにいる

戯曲塾の定例会、昨日はわたしのリクエストで「身体感覚の実技」。
って
出席者は師匠とPKO(役者)とわたしの3人だけ。
もう、わたしのための2時間と言っても過言ではないです。 スペシャルサンクス♡

今まで数度、あちこちに戯曲を応募して言われたことに、「この表現は役者の生理には難しい」という指摘がある。
ええ? そうなの?
師匠に言わせれば、プロの演出・役者であろうとも、
幽玄(霊的な存在)を理解/体感/表現できる、できないは別れるだろうと。
(だから上演を目指したら、自分で、それをできるスタッフ・キャストを集めなければ、と)

で、役者の生理って何?というコトになる。
理屈ではわかるような気はしてるけれど、いざ、科白を描いているとやはり実感がない。 うろうろと迷う。

師匠。
まずフロアの中央に椅子を置いて。 ぐるぐると歩かせる。
他人の視線もないし、だらだらと気楽に歩く。
次、そのまま逆方向、後ろ向きに歩く。 おっとっとっと。
で、また正方向に歩く。
……あれ? 
からだというかたまりに、4本の棒がついていることが実感できる!
「わかる?」 うん、ちょっとわかったかも!!

次、向き合って立ち、お互いの名まえを距離を変えて呼び合う。
わ、距離によって声の調子がかなり変わるね。 声の調子と一緒に、気持ちも多分、ちょっと変わる。
椅子にすわり、膝を突き合わせて呼び合う。 「ジュリエット」「ロミオ」
背中合わせの椅子にすわり、肩や頭を密着させて呼び合う。 
うわわわ……。
感じる体温に、自分の中の情が動く。 やべっ。 かくも簡単に、仮想恋愛に入りかけた。

目を閉じて、周囲の音を聞く。 ひとつずつ音を消していく。 最後には自分の中を無音にする。
これはイメージしやすい。 絵や文章をつくっている自分は自然、この状態だから。
ただ、
どこでもすぐに、自分をこの状態に持ち込めるかといえば、
あー、訓練が必要だわね。

それから、自分が種だとイメージする。
固まっている。 破って芽が出る。 伸びる。 葉を茂らせる。
きゃーーっ、何これ、超気持ちがイイ!
ハンガーにかかった服。 マリオネット。 これは、うまくいかなかった。
わたしの中では、無機物が勝手にストーリィを持ってしまうようだ。 

師匠がたばこを吸いに行ったので、
PKOに、表現の持っていき方とか最初に役に入るときの感じとかを聞かせてもらう。

ねえ……?
ってことは、もしかしたら、
シェークスピアの台詞って、むちゃくちゃ難しいの?
そうですよ。 やったことないけれど、今のボクには無理ですね。
(自分には無理だとサラリと言えるかれは、役者としての質が高いと思う)

などなどと、いろいろ試した頃、稽古帰りのshinoクン(役者)が到着。
プロの歌の先生のレッスン、受けてきちゃったよ。 

で、今度は、
役者ふたりが語り合う様子を、すぐそばで見る。
空気の緊張度が、変わる。

あのね、
今、書いてる芝居ね、おとうさんと、その息子(大学生)の友人 がメインなの。
稽古場の空間に、
設定をきいたふたりが斜めに向き合って、即興の台詞で挨拶を交わしてくれる。
あっ。
関係性の変化に同調する物理的な距離感の変化。
空間に
ふたりが立っている。
で、その向こうにあと3人の役者(コロス)が配されるものを……。
わたしは書いている。
そうか。
わたしは、こういう空間を描いていたのかぁ……。 
自分の身に、空間が質量として広がる。 そこに、役を体感し、再現しようとする人たちが立っている。
なんとなく、感動してしまう。

 

……を踏まえまして。
今日は「MA」のマチネを観てきた。
そりゃあ、もう。 震えっぱなしです。 役者さんの評価、ひっくり返っちゃったもん。
できる人、できない人。

 

でさ。
祐くんに、いいミュージカルを書いてあげたいなぁと。 心底、思った。 (きゃあ、言っちまった!)