2007/1/14 16・00〜 シアタートラム
松本修さんが構成・演出する舞台のためのワークショップの見学会。
お題はカフカの「審判」と「失踪者」。 入り口で渡される資料は、小説の抜粋をシーン分けしたもの。
「失踪者」はアメリカという題で、2001年3月にこの劇場で上演されていて、とても刺激的だった。 (↑のリンク、HPではフレームを使用しているし、エクスプローラのバージョンが低い頃に構成したので、あまりウマク表示できないんだけれど、ご参考までに)
松本修さんは、台本・脚本のない演劇を目指されている。 (そうか、劇作家の天敵?じゃん)
テキストは小説。 ワークショップでは、その場でシーンとキャストを割り振られる。 (キャストも毎回どんどん変える。男女お構いなし)
大衆演劇の口立てをイメージすると近いと思うけれど、
役者はその人物を体感しながら、その状況を自分の体温で再現しあう。 心理描写が台詞になることもあるし、台詞が動作だけになることも出てくる。
どんな効果があるかというと、空間がかなりリアルな緊張感を持つ。
カフカの不条理感を表現するのに、これはすごい効果がある。
眼を逸らして会話する。
小声でささやき続ける。
しばし黙る。 (舞台上では、この緊張感が一番どきどきさせられる)
言葉がでないまま、単純動作を繰り返す。
不自然な距離に自分の顔を近づける。
空間を使う。
あえて狭い空間をイメージさせる。
無表情。 わざとらしい好意。
今日の演出家のダメでは「表情だけで表現しようとするな」と「説明的な動作をするな」、「笑うな」 が多かった。 今気付いたけれど、どれも否定形だね。 役者を縛ることで、新しい窓をあけさせようとするのかな。
ウォーミングアップとクールダウンで、井出茂太さん振り付けだという街のスケッチのパフォーマンスを使用。 役者の身体能力、つくづく訓練が必要なんだなぁと思う。 (空間のバランスが、わたしにもちょっとは見えるようになってきたってことか?)