「(今日の舞台)どうだった?」って若干1名の聞きたがりクンが、感想文を待っているのはわかっていたのだけれど、……つぶれてそれどころじゃなかった。
昨日は昼間から具合が悪く、ひとりで作業をしながら意識が途切れて机に倒れてたりしたんだけれど、ここずっと体調が悪かったから、あんまり気にならなくて。
帰るといいながら、逆に予感があったから遅くまで仕事して。
夜、rin♪が再度ダウンしたと書いた日記に、エラソーにコメントしたら、同じ症状が自分の身にふってきた。
2時半ごろ、胃が痛くて目が覚めて、トイレでがーっとリバース。 リバース。
消化剤を飲むが、リバース。
人肌にあたためた軟水を飲むが、またリバース。
白湯飲む。 戻す。 ベッドにもぐる。 胃が痛い。 白湯飲む。 戻す。 ……を繰り返す。 泣きながら。 うめきながら。
明け方、ようやく落ち着いてきたので、鎮痛剤を飲む。
会社、さすがに半休を取りました。
はあああ〜。
なんでこんなにがっばっちゃう?
すごく頑張って、ガマンしている舞台人たちを傍らに見てきてしまったから、恥ずかしくない自分でいたいという無意識が、しっかりと植え込まれているのだと思う。
で……。
2006/12/17 17・30〜 帝国劇場
すごいなぁ。 まだまだ進化してます。 この芝居。 うん、ミュージカルじゃなくて、芝居が、ね。 役者さんって素材はすごい。 生きるというエネルギーが零れ落ちて、さまよい続ける。 深い海のように。
あの人やこの人の、歌う調子が少し壊れてきてて(この表現でいいのかな)、それぞれのキャラがずいぶん、人間としてのチカラを持ってきた気がする。 特に前半に。
この波が最後まで打ち寄せたときのことを思うと、きゃー、わくわくする!
幕開けの伯爵さま、何に目覚めた? 空気を引き寄せて化学反応を起こさせ、無からひとつかみの舞台を振り落とそうとしている、ように見えたの。 エリクサが慈雨のように降り注ぎ、人形たちに命と悩みを与える。 うははははっ。 照明がもう少し説明的に変化すると、演りやすい? 今の水晶玉のイメージもイイけどね。
(あのさ……。 シリアスなドラマなんだから、客席でもシリアスな顔をして観ていようとは思うのよ〜。 でもだめ。 伯爵さまのマントのラインをみているだけで、うっとり♡ 他のキャストの方々、ごめんなさい)
今回一番、考え込んでしまったのは、マダムラパンの処刑のあとのマルグリットと郡衆たちの歌だった。
過去のことだから、この時代についてわたしたちは冷静に判断・分析できるけれど。
だがその時代の最中にいたとき、何が正しいとどうしてわかる?
最近の日本だったら、たとえば教育基本法が改正されたね。 さまざまな言葉にまぎれてここに、愛国心だの何だのと「戦前教育」が潜んでいないと、……いえるの?
(過去の戦前教育を指すのではないよ。 今が「戦前」になりつつあるのでは?というのだよ)
わたしたちは、何で判断していけばいい? 改正は正しかった? 今後の改正は大丈夫?
いざとなったら(どんな「いざ」だ?) わたしたち日本人は東京人は、暴動を起こせるの? 暴動が正しいの? じゃあ、どんな形で行政にNO!と言えばいい?
マルグリットの迷いのない力強い歌を、恐ろしいと思った。 個人的な感情をトリガーに、たくさんの人々をひとつの感情に巻き込んでしまう。 そして客席は安心して感動してヒトゴトとしてそれを眺めている。
わたしたちはたぶん、もっと注意深く自分たちの歴史と向き合っていなければいけないのかもしれない。
このミュージカルは動員をリピーターに頼るのではなく、もっと別の、たとえば舞台とは無縁の人々にむかってアピールすべきなのかもしれない。
...and your kiss from a high floor, thank you !