あとりえあげん

世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。 HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

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神戸連続児童殺傷事件 関連 を読んだ 2

アマゾンで本を選んでいると、関連書の紹介が並ぶでしょ。それだけを頼りに、なんとなく一抱えの本を買い、なんとなくの順番で読んだのだが、かなり正解の選択と流れだった気がする。(以下、読んだ順番に)

□「少年A」この子を生んで…… /犯人の両親の手記 

ゴーストライターが見え見えで、最後のページには構成者の名前が載っている。つまりクレームがきても、出版社はこの人に責任を転嫁するってことですな。ベストセラー(金)のためには、なんでもやるのね、出版社。 どう、とりつくろっても、この親の持つ放任や規則性に欠ける過干渉、社会的な無分別は感じられる。見方を変えれば、人間の親の哀しい愚かさを汲み、向き合えってことかも、と思う。

□淳 /犯罪被害者の父親の手記

無念さあまりの偏りを差し引いても、感動の1冊でした。このおとうさまのキツクて端正な数々の発言から、少年法の見直し、被害者の人権などが社会的なテーマとして論議され、法令が見直されたようです。差別的な発言になるけれど、犯人の父親に比べて、かなりの知識人。ということが、犯人の少年Aにとって憧れであり、その息子に対する嫉妬につながりはしなかったのか? というのは、わたしのまったく勝手な感想。

□暗い森 /新聞記者による事件のあらまし、分析、資料

客観的、俯瞰的な視点が欲しかったのだけれど、期待ほどではなかった。事件当時わたしが感じた、少年に対する社会の感想のちぐはぐさを、ここで思い出した。

□「少年A」14歳の肖像 /ルポライターによる調査

この著者の1冊目のルポを補う2冊目として、書かれたようだ。そのことでもライターの姿勢がわかるというもの。多少の演出・作為はあるにせよ、誠実に地道に、事実を積み重ねているのが好感が持てた。少年Aには各両親の手記の次に与えられ、真実と向き合う指導に使われたらしい。

酒鬼薔薇聖斗の告白 /研究者のインスピレーションによるノンフィクション

ほとんど暴力だ。おそらく週刊誌の怪しげな記事を読み漁っただけで、ストーリーを組み上げている乱暴さ。真実も思いやりもなく、間違いだらけの好奇心を煽る。 この本が、世に野放しにされているのは、犯罪ではないのか? 金のためには、なんでもやるのね、出版社。 最後の方に何点か、鋭い指摘はあるけれど。

□子供をゆがませる「間取り」 /建築家による、少年犯罪というブランド商品

論外、却下、つじつまあわせ、思い込み。この論法からいくと、わたしは少年犯罪を「犯していなければならない」。ただ、現代の家庭事情の問題点はちらほらと見える。

 

もう1冊、読むリストとして、もうひとりの犯罪被害者の母親の手記があり、上記の父親のそれと非常に対照的な視点であるらしい。 「娘には人には親切にしなさいと教えてきました。その親切の結果として殺されたのだとしたら、娘の生き様として受け入れます(大意)」。

 

ふだん、わたしはホントウに無意識ながら、慎重に本を選び出して読んでいるのだと、気付く。世の中にここまでくだらない(失礼)本が横行しているとは……。わたしはそれでも平行して数冊を読んだので、ある程度の正しさと間違いは見えてきていると思うのだが。これらの本と無秩序に出会い、思い違いをしてしまう人々、子どもたちがいるかと思うとゾッとする。 もう1回、言う。それは犯罪ではないの?