あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

夢 そして 吸血鬼

□ 昨日見た夢の自己分析

わたしはこの1週間ほど「神戸連続児童殺傷事件」関連の本を、犯人の少年と周囲の人たちの距離感を計るように読んでいたのでした。乱暴な言い方をすると、少年に蓄積された心の闇に、甘やかすのではなく、どこかでぷすりとガス抜きをしてやれなかったのか、とかね。(いや、ダメなものはダメなんだとも、知っているのですが、それでも) あの夢は、たぶんその影響だと思う。自分にとって大切な人間を、大切にしているかという観念。(……しかし、Aはわかるとして、なんでOじゃなくてZなんだ?)

□ 昨日読んでだ岸田理生さんのエッセイから、こぼれてきたあれこれ。

気付いてみると、20年前「♪そのワインは わたしの血潮♪」と歌っていた男が、今、ヴァンパイアの親玉を演じているという、事実。キリスト教徒にとって「血」や「ワイン」が何を意味するのか、そして自分の血を吸い尽くす魔としてのヴァンパイアの存在。日本人の理解・憧れとは違う何かが、そこにはあるのかもしれない。

岸田さんは、西欧の吸血鬼にあたるものとして、日本の鬼をあげている。鬼も最初は、異文化であり魔であったが、夜叉/人間が変化したもの となった時点で、恐怖から悲哀を帯び始めたのが、日本の風土だと。

洋画でも、女性吸血鬼の悲恋の設定があるらしいが、日本で、ポーの一族のエドガーや、TDVのクロロックが憂鬱に支配されているのは、どうやら風土からいうとひどく自然のことなのかもしれない。

□ そして……

現代の鬼/吸血鬼は?と考えると、ホラ、つながった。酒鬼薔薇(鬼に薔薇だと? うっ、名まえまで象徴的になっちった) 

日本人たちは、かれが何故、鬼/吸血鬼になったのか、興味津々で、ついには理解・かわいそうがる風潮まで生まれ、犯罪被害者の父親を激怒させた。その社会現象は不十分ながらも、新しい法/約束事をつくらせ、鬼/吸血鬼をどう扱うかの議論は続く。知性溢れた現代人は、心臓に杭を打ち込まず、鬼の人権を論議する。