あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

空間コンプレックス

昔書いた戯曲を手直しして、「75人の会」脚本募集に応募しましたら、留守電に稽古場見学のお誘いが入っていました。届いたの、昨日のはず。反応が早いです。この場合、不義理をしてもこっちが優先されるのかなぁ? 明日、時間をみつけて電話をしてみよう。

さて、今日の話題。

わたしは、自分の好みを自覚していない傾向があるようです。同僚に「チーズ味、好きだよな」と指摘されてキョトン。あれがおいしい、これにハマったと並べる食べ物が、だいたいチーズ系統らしい。でも、言われるまで気づかなかった。好きな食べ物?と尋ねられると、アイスクリームと(高い)お寿司と、ずっと応えてました。思い込むと一途なの。

で、今日、発見したのです。わたし、空間コンプレックスなんだわ! 今まで全然、気づかなかった! だからキムさんにも、祐クンにもめろめろだったのねえ。そうかあ。

前回のTDVの感想に、ひとしきり空間がナンタラと御託を並べましたが、あの時点でもまだ気づいていませんでした。今朝、道を歩きながら、おとといのTDVのあそこがほんとにすごかったぁと絵を思い浮かべ、祐クンの劇場空間を支配するチカラって……などと考えつつ、……「空間の支配力」?……あら、キムさんと祐クンの共通点に初めて気づいたわ、と。(ふたりを並べて語ると、どちらもイヤがるかな)

そして自分をさかのぼってみると、

高校生の頃、わたしは絵を描くことが得意でした。絵=2次元の世界。で、立体造形=3次元が苦手だったの。まずいな、と紙粘土の人形作りに挑戦していた時期もある。食わず嫌いの抵抗感はなくなったけれど、あまり熱くなれなかった。 

そのくせ、2次元の中での空間表現は好きだった。たとえば写生をするということは、空気のかたまりを意識することなのね。(これも語ると長くなるなあ)

でも、まんがを描いていたときは、コラージュ感覚で、全然「空間」を意識していなかったなあ。

そういえば、ずいぶん初めの頃に、祐クンの動きが持つ空間をホメたことがあったよ。劇場ロビーでバーレッスンをしてるのを見てて。(わはははっ、今どきのファンには想像できない絵かもね) 思えば、空間の豊かさを人の動きが醸すことを意識したのは、このあたり、かも?

次に「空間」を意識しだしたのは、劇作を始めてからだと思います。ある程度の絵を立ち上げながら、科白を書くので。すると音楽が流れ、光が流れ……。そうしたイメージを自分中で突き詰めていくと、ひとつの理想としてキムさんの「Close the door, open your mouth」があるの。

わたしは「空間」を意識するのが苦手です。でも(だから?)、惹かれます。そして空間を支配できる舞台人を尊敬し、熱愛します。これが今日の、発見でした。

ちなみに。トリガーとなったシーンですが。

墓場で歌う伯爵さまのクライマックスを、真っ正面からご観劇ください。光と風が大きなシンメトリーな翼となって、打ち寄せる波のように、あなたを圧倒します。