by 伊藤キム /かれの公式サイトの「キムは今」の一節
7ヶ月をかけて、ぐるりと地球を1周してきたダンサーの伊藤キムさんの旅日記の中に、トルコでのエピソードが追加されていた。かれに何が起こったのか、説明がつかない。異国での日々といくつもの因果関係があるだけなのだが、その結末が……。頭がぐらんとする。
そのエピソードに「コインの使者」なんてタイトルをつける、キムさんもキムさんなのだ。人間の存在が、ふわりと軽く、笑われているような錯覚まで感じてしまう。
こんなノンフィクションを読んでしまうと、昨日まで書いていた自分の芝居のプロットが、ひどく馬鹿馬鹿しくつまらないものに思えてくる。話の構成? 起承転結? はははは、真実はネ、人間の世界ってのは、ネ……。理路整然と説明分析できるモノではないのサ。